イギリス版ISAとNISA(日本版ISA)の相違点

NISA

イギリス国民の多くはISAについてよく理解しています。なぜならISAはイギリスが発祥の地だからです。国籍の如何を問わず、イギリスに住んでいる人であればISAの口座を作ることができます。ですからイギリスではISA利用者も層が幅広いのです。

 

こうして、ISAはイギリス金融市場に20兆円以上のマネーをもたらしてくれますので、これがイギリス市場の活力を生み出しているといえます。日本においては、ISAの対象となるのは、上場株式、公募株式、投資信託、上場投信(ETF)、上場不動産投信(REIT)などに限定されています。

 

一方、イギリスにおいては、ISAの対象は非常に幅広いのです。大きく分けるとすれば、株式型ISA預金型ISAに分けられ、前者は株式や公社債、投資信託、保険などを含み、後者は預金やMMFなどを含みます。口座開設のためには、イギリスに住んでいることが必要で、株式型ISAに関しては18歳以上であること、預金型ISAは16歳以上であることが条件となっています。

 

年間拠出額は最大いくらなのでしょうか。株式型ISAの場合11,280ポンド、預金型ISAの場合5640ポンドとなっています。それぞれ日本円にすると、前者が約170万円であるのに対し、後者は約85万円ということで、前者の半額です。ちなみにこの金額は、消費者物価指数が変動すると、それにつれて毎年改定されることになっています。ですからインフレになると年間拠出額もそれに合わせて上がるのです。従って、ギリスでは、2008年以降、年間拠出額の上限が年々上昇しているのです。

 

ところで、この11,280ポンドという数字ですが、根拠は一体何なのでしょうか。実を言いますと、株式型ISAの年間拠出額は意図的に12の倍数になっているのです。もしISAを利用して株式や投資信託を購入するとします。すると一括購入という方法や数回に分けて購入するという方法が考えられるだけでなく、積立投資という手段もあります。この積立投資は、毎月一定額を購入するというものです。ですので、年間拠出額が12の倍数になっていれば、毎月の積立額を計画しやすくなります。

 

7割が年収300万円未満の利用者

 

ISA口座を作っているのはどのような人たちなのでしょうか。決して資金が潤沢な方々ばかりとは限りません。どちらかというとその逆なのです。つまり利用者の5割以上は年収2万ポンド未満なのです(2009年度〜2010年度の調査結果より)。2万ポンドというのは日本円に直せば300万円です。ということは資産がそれほど潤沢でなくても利用する上で支障はないといえるでしょう。

 

イギリスでは、年間拠出額に上限が設けられています。しかし永久に非課税とされていますので、累積投資金額については制限がないのです。この意味するとことは、たとえば金融商品を売ったり解約しても課税されず、配当金を受け取ってもやはり課税されないということです。そして、預金型ISAが持っている資産を株式型ISAに移動させることもできますし、口座ごと他の金融機関へ移動させることもできます。その資金を目的に、様々な金融機関が口座獲得のため必死でキャンペーンをしているのです。

 

これがイギリスのISAの特徴です。本来、10年限りという条件のもとで始まった措置でしたが、7年後にシステムの検証を行うことになってしまったのです。もし、日本でも同様のシステムが普及すれば、時限措置というより、恒久的システムにすべきという意見も多く聞かれるようになるでしょう。このように日本版NISAは今後いっそう活況を呈してくる可能性を十分に秘めているのです。


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